手挙げ制のプログラムに参加希望が集まるだろうかと不安なあなたへ
皆さん、こんにちは。michinaruの横山です。
本日も、成熟企業の新規事業創造にまつわるお困りごとを抱える皆様のまるで隣に座ってお喋りするように、課題を紐解くヒントや糸口を一緒に探りあてるためのコラム、「michinaru横山のお話があります」をお届けします。
いよいよ新年度が始まり、昨年度末から温めてきた新企画をいよいよリリースするタイミングだという方も多いのではないでしょうか。全社に対して発信することが多い新規事業推進を担う方々からは、ひとつひとつの施策に対する社員の反応は毎回予想外のことが多く、何回やっても告知のボタンを押すときにはドキドキするという話もよく伺います。
新規事業創造の取り組みステージが初期の会社であればなおさら、思い入れをもって新たに仕込んできた企画だからこそ、社員に届いてほしいという想いがあるでしょう。特に、事業アイデアを着想しカタチにすることをサポートする「事業アイデア創出プログラム」等の取り組みは選抜型ではなく公募型にしている会社がほとんどです。
こうした公募型プログラムは、経営や仕掛け側からは見えない志向性や適性ある人材の発掘、そうした人材同士の関係性づくり、組織的なムーブメントへの着火を意図して企画するものの、「うちの社員の中で手挙げしてきてくれる人はいるだろうか・・・」と事務局を最も不安にさせる取り組みのひとつでもあります。(実際、企業規模の大小を問わず初年度に20名を超える応募者が来たという話はまず聞かないので、蓋を開けるまで本当にどう転ぶか分からない類のものなんだろうと想像します)
そこで、今回は「手挙げ制のプログラムに参加希望が集まるだろうかと不安なあなたへ」と題してお届けします。
そんなお悩みを抱えたあなたのもとに、ドアノック。
\「トントン!お話しがあります!」/
早速お話しさせてください。
年度の頭、満を持して手挙げ制のプログラムを全社員に向けて告知した。どんな反応があるだろうか、ドキドキドキ。。
そんな不安を抱えるあなたに、敢えて多くの社員が「手挙げ制のプログラムに応募しない理由」を挙げながら、それを解消する対処法についてお伝えしたいと思います。
■ 理由①「世界線にない」
多くの社員が手挙げ制のPGMに応募しない理由の一つ目は、「世界線に入っていない」でしょう。おそらくこれがダントツの一位だと思います。事務局側からすると、通達メールは送っている、全員がアクセス可能なTeamsやイントラネットでも情報発信している、と思うものですが、現場で生きる社員の脳内にそもそも入っていないということが多く発生しています。
新たな取り組みを立ち上げる際、うまくいっている企業は社員の耳目に入れることを効率度外視で行っています。社員に既存業務に加えて自らの時間と気持ちを割いてもらうために、まずは知ってもらわないと始まりません。
オフィシャルな通達メディアで必要情報を頻度高く発信する、各部署やグループの上長から直接共有をしてもらいチャレンジを促すといった正攻法に加え、社内のメディアというメディアをジャックする、食堂にポスターを貼る、オフィスをまわりチラシを手渡しするといった「あの手この手」作戦で社員にこの施策の存在を知ってもらうアクションに労を惜しまず取り組んでみてください。「この時代にそんなベタな」と思うようなアナログな作戦が一番効いた、という声もよく耳にします。
■ 理由②「敷居が高い」
手挙げ制のPGMに応募が少ない理由の二つ目は、「敷居が高い」です。私も前職時代に経験がありますが、本社主導の新プロジェクト、しかもテーマが新規事業創出ともなれば、無意識に高い基準を想像してしまいます。「興味がある人なら誰でも歓迎」と社員からの応募を待ちわびる事務局に対して、「私なんてお呼びじゃないだろう…」と思っている社員。両者の間には実は壮大なギャップがあるのです。
もしあなたが本社の企画職歴が長くて現場の「普通の社員」の感じ方や考え方のロールプレイが難しいようであれば、ぜひ現場社員数名にインタビューさせてもらいましょう。
企画の主要ターゲットをペルソナに設定し、彼/彼女はどんなメッセージにどんな感情を抱くのか、どのように言われると敷居が下がるのかを掴んだうえで告知メッセージを綴ることをオススメします。同じ公募型のプログラムにペルソナに近い過去の参加者がいれば彼/彼女に「自分にもできた」と説明会やポスター等で話してもらうのも効果的でしょう。
■ 理由③「最後の一押しに欠ける」
社員が手挙げ制のPGMに応募しない理由の3つ目は、「最後の一押しに欠ける」です。社員の中にはあなたの呼びかけに対して「ちょっと面白そうだな」「挑戦してみたいな」と感じる社員が必ず存在します。いわゆる「心の中で半分手を挙げている人」です。
「もともと事業創造には興味があった」「今の仕事だけでキャリアを歩むのは不安だ」「自分を変えたい」。動機は様々ですが、事業創造PGMに興味を持つ人はどんな組織にも一定数いるでしょう。ただし、彼/彼女の全員がエントリーするか?といえば実態はNO。自らの意思でエントリーのボタンをクリックするためには、「最後の一押し」が必要なのです。
この一押しをどうサポートしていくか?がエントリー受付期間における事務局の腕の見せ所だと言えます。社長のたってのお願いとして会社として大事な取り組みであることを強調したり、説明会やミニセミナーを通して楽しさや安心感を演出したり、タイトルを変えてエントリーを募るメールを何度も何度も送ってみたり、事務局に気軽に問い合わせができるホットラインを設置してささいな疑問も解消したり、できることは無数にあるでしょう。②で取り組んだ現場社員インタビューの情報も踏まえて、一押しに必要なサポートをぜひ先回りして行ってみてください。
あ、もうこんな時間。随分長居してしまいました。
「手挙げ制のプログラムに参加希望が集まるだろうかと不安なあなたへ」、いかがだったでしょうか。今年こそ、組織の中から新しい事業を生み出す取り組みをより大きく仕掛けていきたいと願うあなたにひとつでもふたつでもヒントになれば、と思いながら書きました。
皆さんの感想をお聞かせいただければ嬉しいです。