COLUMNSコラム

事業創り

オイシックスの創業ストーリーに学ぶ、偉大な事業の出発点

2021.09.14

オイシックスの新規事業開発の歴史

今年で20周年を迎えるオイシックス・ラ・大地ですが、振り返ると同社の歴史は、「前例のないことに挑戦し続けてきた新規事業開発の歴史」だったとのこと。

今日はオイシックス創業メンバーでもあった堤祐輔氏(現・Oisix ra daichi 取締役執行役員)の書かれた記事を参考に「オイシックスの創業ストーリーに学ぶ、偉大な事業の出発点」と題しコラムを書きたいと思います。

オイシックスと言えば、皆さんご存じの「インターネット食品宅配サービス」。

当時徐々に普及しつつあったインターネットを通じて、生鮮食品を自宅に届ける事業です。

当時20代だった創業メンバーがなぜこの事業を始めたのか、ご存じでしょうか。(私は知りませんでした)

誰もが思いつきそうなシンプルな事業ではあるものの、20年前は、インターネット先進国アメリカでも誰も成功したことがなかったそう。

(事実、品質管理は大変、送料は高い、ユーザーは増えない、資金は集まらない、と苦難の連続だったとか。)

食の事業に挑んだ理由

では、なぜ、オイシックスはこの事業に挑んだのでしょうか。

創業メンバーの一人である堤祐輔執行役員はこう語っています。

”実は、はじめから野菜の宅配業をやりたかったわけでは全然ないんです。原点にある想いは「インターネットを使って、社会を良くするビジネスを、自分たちでつくる」です。”

”まだ誰も成功していない。成功したら世界初。この事実は、僕たちの野心に火をつけました。”

”僕たちの考える大成功とは、自分たちの力で、世の中に唯一無二の大きなインパクトを与えるビジネスを実現することです。”

この発言から読み取れるのは、オイシックスの創業チームが20年前、誰も成功したことのないインターネット食品宅配サービスにわざわざ挑みにいったのは、「食」に対する原体験があったからでも、社会課題を解決したかったからでもない。ましてやインターネットバブルに乗って儲けようとおもったからでもない。

彼らの創業時の想いは、”インターネットを使ったインパクトあるビジネスを自分たちで作りたい”でした。

今や、「これからの食卓、これからの畑」という理念のもと、最新のテクノロジーを駆使して、様々な食の社会課題を解決する事業を行う同社ですが最初の一歩は意外なくらいシンプルだったことがわかります。

偉大な事業を生み出すために偉大なWillは要らない

わたしたちは組織の中で事業創出を考えるとき、大きなビジョンを持たなければ、解くべき課題を見つけなければ、誰もが納得する事業計画を作らなければ、とつい焦ってしまいます。

この、オイシックス・ラ・大地の創業ストーリーが教えてくれるのは、「偉大な事業を生み出すために偉大なWillは要らない」ということ。最初の一歩は「幼いWill」でいい、ということではないでしょうか。

わたしたちが支援をする事業創造プログラムでも、事業創造にのめり込む人は、自らの「幼いWill」をもとに動くうちに、高い確率で忘れられない「誰か」に出会っています。

そして、その「誰か」の一言がきっかけになって、自分たちの事業で引き受けたい「課題」が見つかり、最初にあった「幼いWill」にどんどん火が付き、あれよあれよと突き進んでいく姿をたびたび目にします。

組織の中で新規事業を生み出すとき、語られることの少ない「幼いWill」こそが実は大きなレバレッジをうむ出発点になりえるのです。

皆さんの語るのも恥ずかしいような「幼いWill」は何ですか。

課題感や不安感はそこかしこに存在する今だからからこそ、机上にとどまるのではなく、幼いWillでも動き出し価値ある事業を生み出したいですね。

今回のコラムはこちらの記事を参考に書きました。是非ご一読ください。

▼新規事業に挑戦する人へ。オイシックス・ラ・大地が大切にしてきた事業開発に”夢中”になる心構え