WORKS事例紹介

挑戦する人づくり
学校法人上智学院 様

一人ひとりの保有能力を発揮能力に変換する。
新しい大学職員像を目指した取り組み。

写真左からmichinaru菊池、上智学院人事局 稲坂様、長谷川様、michinaru横山
正式名称
中堅職員向け研修 「自分らしいキャリアとリーダーシップを見つけるプログラム」
課題
中堅職員の保有能力を発揮能力へ変換する
サポート
自分らしいキャリアとリーダーシップを見つけるプログラムの 企画と実施(1日研修×2回)
結果
①キャリアやリーダーシップというテーマが自分事化された
②より良い仕事をするために、自らチームに働きかける職員が増えた
③自ら学び成長しようとする姿勢が見られるようになった
和やかな雰囲気でインタビューが始まりました
導入の背景

出向先で実感した、人材育成をデザインすることの重要性

このプログラムを行うことになった背景について教えてください。

稲坂様:私が民間企業に1年間出向したことがきっかけでしょうか。そこでの経験を通じて、学院でも研修担当を置いて体系的に研修やりたいというところからはじまりました。

長谷川様:それまでは専任担当がいなかったので、やれるときに、その時必要なテーマで研修するというスタイルだったんです。

横山:出向先でどんな経験をされたのですか?

稲坂様:出向先では社員研修の運営を行っていました。そこでは熱意ある研修担当者が、研修の度に対象層の社員に合った内容を練り上げ、またどういう位置づけでこの研修があるのかをきちんと社員に説明していました。そして、それにより、社員も研修の意図を理解し、研修を受けられることに感謝していました。計画的に人材を育成することの重要性を強く感じたのです。

横山:なるほど。では今回の育成対象を中堅社員としたのはどうしてですか?

稲坂様:中堅層は一番活躍してほしい層でありながら、仕事にも慣れ、自身のこれからについて悩む時期でもあります。その気持ちに寄り添い、前向きにキャリアを考えられるよう、組織としてサポートする必要があると思ったんです。

長谷川様:加えて、今は職員も大学の経営を担っていく時代です。私たち自身が変わっていかなくてはいけないという危機感もありました。

上智学院人事局 人材開発グループ 稲坂真紀様
課題

中堅職員の保有能力から発揮能力へと変換すること

中堅職員たちが、どのように変わってほしいと考えていましたか?

稲坂様:私が出向先で感じたのは、仕事に向き合う姿勢でした。大学職員が能力では決して劣っていないと認識する一方、仕事への向き合い方は後ろ向きだったり、受け身なところがあると感じました。特に中堅層は現場の中心である場合も多いので、この仕事に取り組む姿勢、周囲への影響の与え方をポジティブに変えたいと思いました。

横山:何度もミーティングを重ね『保有能力から発揮能力への変換』が今回のプログラムの大きなテーマとなりましたね。

どうやって仕事に向き合う姿勢を変えていこうとしたのですか?

稲坂様:パッケージ化された研修で、考え方を一方的に押し付けてはうまくいかないと思いました。受講生はそれぞれ、考え方をしっかり持った人たちです。私たちが外から動かすのではなく、キャリアについて一度立ち止まって考えてみませんか、という問いによって自身の中から揺り動かされる形にしたいと思いました。

横山:人は変われと言われて変わる生き物ではないですからね。私たちも内的な動機がないと人は変わらないと考えています。ちなみに、具体的に問題だと感じていたことはどんなことでしたか。

稲坂様:自身もそうですが、周囲が変わらないことに捉われ、考えがマイナスになることはもったいないと感じていました。そこから、他人のことよりも“自分はどう働いていきたいか”や、“全体の中での自分”を考えてほしいという気持ちがありました。

長谷川様:自分は周囲に対してどう役立てるかという自分なりのリーダーシップを考えてほしいと思いました。

横山:しかし、キャリアもリーダーシップも誤解の多い言葉ですよね。

稲坂様:そうですね、まずその言葉の意味を理解することが大切と考えました。キャリアは、仕事上の昇進やステップアップのこと、リーダーシップは先頭に立って引っ張っていくことと捉えがちでしたので、研修では必ずしもそうではないと伝えてもらいました。実際、“支えるというリーダーシップもあるのだと気づいた”と何人もの人がアンケートに書いていたのが嬉しかったですね。

上智学院人事局 人材開発グループ チームリーダー 長谷川裕美様
プログラム設計において考えていたことは他にありますか?

稲坂様:とにかく、組織風土や受講生にあった研修にすることを第一に考えました。どういう構成だと伝わりやすいか、楽しんでもらえるか等、受講生の反応をイメージしながら作りました。

長谷川様:最初は、この対象層はなかなか大変ですよ、と横山さんを脅してましたね(笑)。さまざまなシーンを想定し、シミュレーションしながら設計してもらいました。

稲坂様:打合せのときにいろいろお伝えしましたが、それを研修コンテンツに反映してくださったので、研修後、意図した反応がアンケートの回答に表れていたのは嬉しかったです。

研修と研修の間には、学びを深める仕掛けが
成功の要因

事前準備含めた全体デザインと参加者の思考パターンに合わせたファシリテーション

研修当日で印象に残っていることはありますか?

稲坂様:横山さんがワーク中の受講生の顔つきをよく見て、一方的ではなく、気持ちに寄り添って研修をされていたことが印象に残っています。

横山:ありがとうございます。私は事務局としてしっかりと準備いただいた印象を受けました。研修当日までに色々と動いていただけたんだなと。

稲坂様:研修前に受講生とコミュニケ―ションをとることで、不安な気持ちや抵抗感をなるべく解消したいと考えました。そこから、この研修に期待をもって参加してもらえたと感じています。一般的な研修とは違うかも…と受け止めてもらえたのではないでしょうか。

長谷川様:横山さんはどんなことを心がけていたのですか?

横山:事前に受講生の思考パターンを共有してもらっていたので、それ踏まえて考えてもらいたい問いを練りました。

みなさんの能力レベルは非常に高い一方で、仕事観という意味ではまだ確立していないと感じたので、表面化していない思いをたくさん言語化してもらうプログラムとして設計しました。具体的な問いをあげれば、『あなたの自分らしさは何か』、『あなたにとって仕事とは何か』、『あなたらしいリーダーシップとは何か』などです。

稲坂様:参加者には研修と研修の間に、課題にも取り組んでもらいました。

横山:はい、リーダーシップは机上では得られないと考えています。ですから2回の研修の間に4か月の期間を開けて、『小さなリーダーシップ実践』という職場での実践課題を用意しました。

稲坂様:研修で学んだこと、気付いたことを職場で実践できる機会を設けられて良かったです。受講生が職場でどんな役割で働き、周囲とどんな関係にあるか、など課題を通して気づいたこともありました。

横山:良い意味で想定外だったのは、皆さんがリーダーシップの発揮について強い興味をもっていたことです。「リーダーシップってどんなものだと考えるか?」と全体に聞いたら、沈黙を破って手を挙げてくれる人がいました。場に貢献しよう、自分の意見を出してみよう、というリーダーシップを発揮した印象的なシーンです。

自分らしいキャリアやリーダーシップを言葉にする
研修後の変化

自分から働きかけようとする人たちが増えた

研修後の参加者の変化や反応はいかがでしたか。

稲坂様:私自身も受講生として参加したのですが、キャリアやリーダーシップについてイメージが深まり、これまで凝り固まっていたものが解きほぐされたと感じました。他の受講生からも、職場でできることからやりたいという前向きな反応がありました。

長谷川様:稲坂含めて自部署から2名が受講しましたが、研修前より自分から周りに積極的に働きかけてくれています。

横山:次なる課題はなんでしょう?

稲坂様:今回のプログラムを、階層別研修の一部として周期的なサイクルで実施することが必要なので、定着させるために、長く続けていきたいです。さらに、上の階層への展開や、受講済みの人たちへのフォローアップも行なっていきたいですね。

長谷川様:継続して取り組むことで、仕事は楽しいもの、周りに影響を与えてチームをもっとよくしよう、といった前向きな考え方をしている人を増やしていきたいです。

横山:貴重なお話しが伺えました。今日は本当にありがとうございました。

担当からの声
今回上智学院様では、自己理解を深め、影響範囲を広げるきっかけを創ることによって、持てる能力を存分に発揮するメンバーを増やすことに丁寧に取り組まれました。

ともすればテクニカルスキルに目が向きがちな人材育成において、パフォーマンス向上を何が阻んでいるか、特にマインドや風土といったソフト視点で突き詰めることの重要性を感じられる事例ではないでしょうか。

とても優秀で正義感の強い方が集まっているので、それぞれの階層ごとにうまく方向付けをすることで、少しずつでも職場が変わっていくことが楽しみです。

人材開発のお二人が始めた新しい大学職員像を実現していくための取り組みはまだ始まったばかりですが、ぜひ継続してサポートをさせていただければと思います。
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