WORKS事例紹介

応援の土壌づくり,挑戦と応援の仕掛けづくり
日本山村硝子株式会社

トップダウンとボトムアップが融合する組織の起点づくり
〜部長層 一人ひとりの火種を会社を前進させるエネルギーにする〜

部長層合宿 DREAM に参加した23名と事務局メンバー
正式名称
私達の可能性を最大化する未来を描く部長層合宿 DREAM
課題
・非日常のコミュニケーションを通じた未来に向けたエネルギー醸成
・部長層同士の一体感向上
サポート
・部長層合宿 企画設計及びファシリテーション
結果
・部長一人ひとりの火種の発露と共有、部署を超えた連携促進
左から 同社 山村様、岩根様、畑中様

1914年の創業以来、ガラスびんの製造・販売を手がけ国内NO.1シェアを誇る日本山村硝子株式会社。昨今では、循環型社会への実現に向けて主幹事業であるガラスびんの製造と販売にとどまらず、植物工場での高機能野菜づくりや介護補助容器の開発など新たな分野での挑戦もしています。そんな同社が「100年先も必要とされる会社」というビジョン実現に向け、「トップダウンとボトムアップが融合する組織の起点づくり」の1歩として実施した部長層合宿 Dreamとは。その経緯や内容をお伝えします。

▼インタビューさせていただいた皆様
日本山村硝子株式会社
グループサステナビリティ推進部 部長 畑中秀郁様
コーポレート本部 総合企画部 企画・国際グループ リーダー 山村聡様
コーポレート本部 総合企画部 企画・国際グループ 岩根未依様

課題や背景

部長陣一人ひとりの火種を会社を前進させるエネルギーに

横山:今回、部長層向けの施策をこのタイミングで実施された背景を教えてください。

畑中:この会社をもっと良くしていきたいと考えた時に、どの層にアプローチをするのが良いか、まず思い浮かんだのが部長層でした。少し前になりますが、コロナ禍の在宅勤務だった当時、経営層や部長陣など社内メンバー2-30人とオンラインで話をさせてもらったことがあります。経験も実力もある部長たちが持っている火種を上手に繋げることができれば、会社をさらに大きく前進させるエネルギーになる、そう思ったのです。

お互いや部門ごとの違いや想いを分かち合うことで育まれる関係性の変化や結束、一体感
変化や成果

事業部を超えて生まれた連携や結束。現場発の提案や自走を後押ししたい

横山:今回の部長層合宿Dreamは、総勢23名の部長層の方々に集まっていただき、1泊2日の合宿形式で実施しました。やられてみて得られたことや印象に残っていることはありますか。

山村:普段、さまざまな課題を抱えて神妙な面持ちで仕事をしているみなさんが、いつもとは異なる明るい表情や和気藹々とした雰囲気で話をしていて、早々にオフサイトの効果を感じました。合宿を機に事業部を超えての横のつながり、連携も増えています。

畑中:今回の合宿は「部長層同士のつながりや一体感向上」を叶えたいと企画・設計しました。相互理解を深めるインタビューワークや各事業部門をひとつの国と見立てて行うランズワークなどを通じて、お互いや部門ごとの想い、理解が深まっていったのではないかと思います。

自分たちの望む未来に向けて、自らが超えるべきエッジ(心理的境界線)は何か

岩根:合宿後、少しずつですが互いのメンバーを連れての事業部を超えた工場 / 現場見学や営業ナレッジシェアなどの動きが起こっています。それだけ部長同士の心理的距離が縮まった証拠なのではと思います。今後も、更に部長陣発の提案や現場での自走を促せるよう後押しをしていきたいです。

横山:課題はあると分かりながら、解決に向けて自ら提案していくことは勇気がいることです。合宿の後半では、「変化変革モデル(*アーノルドミンデル提唱)」を用いて、部長層の方々自身がどういった心理的ハードルを抱えているのか、その先にどんな姿を望んでいるのかについても考えていただきました。

畑中:弊社に限らずですが、部長層は、経営と現場に挟まれるプレッシャーの大きな役割です。何かを良くするために変えようと思っても、複雑性が高く簡単には変えられないことも多い。コロナ禍も相まって無力感や孤独感といった感情も抱えていたこと、それも含めて腹を割って話すことで、普段は対立を避けがちな誠実で温厚なメンバーが、喧々諤々健全な議論をしている様子が非常に印象に残っています。日常業務の中では、見て見ぬふりをしたくなる“パンドラの箱”は誰にもあると思いますが、そういったものも含めて共通の認識や課題感を持てたことは、会社を前進させていく上でとても大事なプロセスだったと思います。

山村:私自身も部長陣 一人ひとりの火種(仕事に向き合う上での大切な価値観や過去の苦労も含めた会社への愛着心)に触れて、子供っぽい表現かもしれませんが、すごく元気と勇気をもらいました。

岩根:愛社精神というか。手前味噌かもしれませんが、今回参加した部長層は会社が大好きなように感じます。諸先輩方の次の世代に良いものを残したいというプライドを後輩たちも感じていると思います。

部長層合宿 DREAM に参加した23名と事務局メンバー
今後の展望

部長陣が意見具申を積極的に行い、経営が後押しする。更に強くなった景色に変わっていくのが楽しみ

横山:これからのお考えや構想を聞かせてください。

山村:部長同士で横のつながりが強化されたことにより、より全体最適な検討が増えてくると思います。組織が活性化されたことに加え、現場の社員たちが情報や提案をより一層出したくなるような取り組みをしていければと思っています。

 畑中:部長陣から本質な提案が上がってくるようになれば、それを受け取る経営側の度量やリテラシーも重要です。部長陣の提案や情報に対して、経営がそれをもっと吸い上げ、活かす力が大切になってくると考えています。今回の合宿は社長の後押しもあって始めたものでもあり、経営としてもそれを望んでいます。部長陣と経営陣がより協力的で強力な関係を築けるように、私自身も尽力していきたいと思っています。

横山:まさにトップダウンとボトムアップの融合、ますます楽しみです。弊社への期待や要望も聞かせていただけますか。

畑中:成熟企業 1社1社の事業や組織の事情を踏まえた上でのオリジナルな提案と丁寧な伴走が本当に心強いと思っています。

山村:弊社の人材の特徴である誠実さや真面目な人柄を活かしながら、うまく挑戦の雰囲気を醸成できるよう、優しく焚きつけてくださるのがありがたいです。「変えるではなく加える」という表現が近いでしょうか。

岩根:一緒にやらせていただいて純粋に面白いなぁと感じています。社内だけでは得られない視点をいつも提供いただき、これからご一緒する中でどんな新しい景色をみることができるのかとても楽しみです。引き続きどうぞ宜しくお願いします!

横山:本日は、貴重なお話しをありがとうございました。

担当からの声
インタビュー中に畑中様から出た、「今回の研修成果は〝パンドラの箱”への認知」との表現に膝を打ちました。組織で働くあらゆる人にとって、気がかりだけれど開けることをためらうパンドラの箱は誰にでもあるものです。それが、事業成果に責任を持ち、メンバーと経営層の間でプレッシャーを引き受けている部長層であればなおのことでしょう。

本合宿では、先人から継承し育んできた想いや価値を再発見し、未来に向けて枠を取っ払ってもう一度夢を語り合い、そこで生まれた熱量を持って自分たちの変容を阻んでいる内なる課題に向き合う構成を組みました。

自分たちを客観視し、課題は外ではなく内にあるという気づきと「この仲間たちがいるなら」という横の繋がりへの安心によって、蓋をしてきたパンドラの箱に向き合うエネルギーは沸き起こるのだと学ばせていただきました。

成熟企業が前に進むためのセンターピンはどこにあるのか。その答えが淡路島で23名の部長層の皆さんと過ごした本気の2日間の中に詰まっていました。すでに次の動きが始まっている日本山村硝子様の変容の旅路をずっと近くで応援ができたらと思います。
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