1.新規事業という「土地」の全体像を理解する
新規事業推進室に配属されたばかりの頃は、従来の業務環境との違いに戸惑うことが多いです。まず、異動後は「新規事業」という領域にどのような文化や価値観があるかを理解しましょう。書籍やセミナーの視聴、自部署のメンバーと対話をすることで新規事業という土地の全体マップを手に入れてみてください。以下の観点を参考にしてみてください。
・新たに必要な知識やスキル:既存事業でキャリアを詰んできた自分が陥りそうな失敗は何か?アンラーン(学習棄却・再学習)すべき事は何か?
・新規事業チーム内のコミュニケーション: どんな言葉やフレーズが頻繁に使われているのか?新規事業における仕事の進め方や価値観はどんなものがあるのか?
・事業創造のプロセス: 事業創造はどのようなプロセスを通じて生まれるのか?どんな観点で情報収集をして、何を基準にアジャイルをしていけば良いのか?
これから身を置く新規事業という「土地」についての理解が深まると、そこでの歩き方をイメージしやすくなります。
社内新規事業に対する理解を深める書籍では以下の2つがオススメです。
「両利きの経営(増補改訂版)ー「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く」「新規事業の実践論 (NewsPicksパブリッシング)」
2.顧客のもとに足を運び対話をする
新規事業を成功に導くには、顧客の抱える課題を深く理解することが不可欠です。机上ではなく、顧客から直接フィードバックをもらうことで、顧客と課題の解像度を上げることが出来ます。
・顧客の抱える課題の解像度を上げる:顧客との対話を通じて課題をできるだけ具体的に理解することが大切です。「自分たちが手掛ける新規事業は誰のどんな課題を解決するのか?」をシャープに語れるようになるまで、顧客の元へ足を運んでみてください。
・不完全なアイデアでも伝える: 理論や机上の計画だけではなく、不完全な状態の事業アイデアでも、実際に顧客のもとへ足を運びフィードバックを得ることが大切です。早期に行動を起こし、失敗を恐れず試行錯誤を繰り返すことが新規事業の進展に繋がります。
新規事業はセンミツ(千のアイデアを生んで成功するのはせいぜい3つ程度、という意味)と言われる世界です。「この事業を必ず成功させたい」という使命感は持ちながらも、「失敗して当たり前」という軽やかさも持って、準備不足でも早めに行動を起こし、失敗から学ぶ姿勢を持つことが重要です。
3.自社の文化と経営陣の理解を深める
企業内新規事業において自社の文化や経営陣の意向の理解は、アイデアを事業化していくタイミングで大切になります。自社の文化や経営陣を「敵」にしてしまうのではなく、関係性を上手く築きながらから、自社にとっての新規事業文脈を創る「味方」にしてみてください。
・自社の背景を学ぶ: 自社の創業の歴史や過去の挑戦に触れ、その文化や価値観を理解することは社内新規事業における文脈作りに重要です。当時を知っている人に直接話を聞きに行くことで、自社の思いもよらぬ側面が見えてくることもあるようです。
・経営陣との関係構築: 自社の経営陣や自部門のリーダーとの対話を増やし、関係性の構築と新規事業に対するビジョンを共有しましょう。早いタイミングで新規事業に対する視界が揃っていると、事業化に向けたプロセスを円滑に進める事ができます。
新規事業の進行には、自社の文化の理解と経営陣や他部署の協力が欠かせません。是非、社内の多様なメンバーと定期的な対話の機会を作ることを意識してみてください。以上、新規事業推進室に配属された方にまず行って欲しい3つの取り組みをお伝えさせていただきました。
こちらのコラムでは、より詳しい内容をお伝えしておりますので、併せて是非お読みください。
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