新規事業に対する本音調査
「新規事業の本音」
こんにちは。いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
先日、博報堂クロスコンサルティング社が出したレポート「会社と私の本音調査」第2回〜新規事業の本音〜について、michinaruラジオで語りました。
すでにご覧になったレポートかもしれませんが、大変示唆に富んだ内容でしたので私たちがラジオで考察したことをコラムでも紹介していこうと思います!
→michinaruラジオ「# 29 新規事業の本音調査を読み解く」はこちらから
1.経営層より管理職層の方が危機感を感じている。
まず、このデータの中で注目すべきだと話し合った点が
【Q】会社・団体の「主力既存事業」に対し、危機感をどの程度感じているか?
という質問に対して、経営層よりも管理職層の方が強い危機感を抱いているのが読み取れる事です。
既存事業に対して危機感を感じている割合は経営層72.6%、管理職層72.4%と、そこまで変わらないのですが内訳を見ると、管理職層の方が「今すぐにでも新規事業を成功させなければいけない」という強い危機感を感じていることが読み取れます。
しかし、同時にmichinaruが事業開発の伴走をさせていただく際によく耳にするのが「中間管理職が新規事業の芽を潰す」という言葉です。
既存事業を回すのが彼らの仕事でもあるので、どうしても新規事業に対しても「それ儲かるの?」とすぐ聴いてしまいがちです。
このデータを見るまでは、管理職は新規事業開発から少し遠い存在のように考えてしまっていたのですが、危機感は全員で共有出来ていることが分かりました。
その危機感を新規事業を潰すプレッシャーにするのではなく、事業開発を前に進めるエネルギーに出来れば挑戦する人を増やせるのではないでしょうか。
2. 危機感があるのにどうして新規事業の立ち上げに取り組んでいないのか?
次に見たデータはこちらです。
新規事業開発に対して、会社・個人としてどれくらいの割合で取り取り組んでいるのかを調査したデータです。
先程のデータでは、経営層よりも管理職層の方が「新規事業開発」に対して強い危機感を感じている事が読み取れましたが、このデータではその割合が逆転しています。
「直近5年以内に自身が新規事業創出に携わった」と回答した管理職層は全体の3割に満たないです。
このデータの奥底にある思いがどのようなものなのか、考察する必要があるのではないかと思っています。
管理職層の人が事業開発について「会社として私も含めて取り組まなければいけない!」と考えているのか「会社としてはやらないといけないけど、自分の仕事ではないよな。」と捉えているのでは大きな違いが生まれてきます。
管理職層の人が事業開発にもっと携わるようになれば、新規事業の創出は円滑にいくのではないかとも話し合いました。
3.チャレンジ精神が新規事業創出には重要である
最後に見たデータはこちらです。
【Q】新規事業創出のための取り組みに対して(A)現在、自社が取り組んでいる(B)重要だと思う と回答した割合とそれらの差分を表したものです。
それぞれの項目の取り組みやすさなどもあるので、差分のランキングを鵜呑みには出来ませんが、それでも重要でだと回答している人が多いものに「チャレンジ精神」というキーワードが隠れている事がわかります。
このデータから、挑戦が課題だ!と多くの企業が捉えているのは理解できるけれど、その挑戦を後押しするには何が重要なのか?を考察しました。
そして、その答えとしてあげられるのはやはり、新規事業に取り組む「why」と個人の持つ「will」に気づくことだと思います。
「会社の利益を上げるために新規事業の開発をしよう!」と始めるのではなく、まずは「この会社は存在する必要があるのか?」「この会社が事業開発で生み出したい価値はなんなのか?」を問う必要があるのではないでしょうか?
先日のmichinaruラジオに出演していただいた、団遊(だんあそぶ)さんが立ち上げたアソブロックという会社では毎年「今年はこの会社続ける?」という議論をするそうです。ラジオのエピソードはこちらで聞けます。
会社を存続させることを第一にするのではなく、なぜこの会社で仕事をしていくのか?を捉えていく必要があると思います。
そして、そこに個人の想い(will)が重なればより大きな力を発揮するようなるのではないでしょうか?
以上が今回のラジオのエピソードで考察したことをまとめたものです。20分ほどのいつもよりは少し長いエピソードにはなっていますが、お時間のある時にぜひ聴いていただけたら嬉しいです。
この記事が挑戦する皆様の背中を少しでも押せていたら嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。